古くなった物や壊れた物、使っていない物を捨てられない、物を減らせない。
捨てられない物をずっと押入れや物置き、クローゼットなどに入れっぱなしにしていませんか?
捨てられない物を持ち続けていると、いつか収納はパンクしてしまいます。
この記事を読むと「もったいないから」「何かに使えそうだから」と物を捨てる決心ができない状態から、物を捨てられる(見切りをつけられる)マインド(心)に切り替えることができます。
片付けられず、ついつい物をため込んでしまう癖がある人に役立つ内容です。
「もったいないから捨てられない」のは何故なのか
「もったいないから捨てられない」理由は2つあります。
①判断を先送りしている
押入れなどの収納に、古くなったり壊れたりして使えなくなった物や、全然使っていない物をずっと保管し続けている。
全く使わない物はもはや持っている意味がないのに、見切りをつけられないのは「もったいない」思考がブレーキをかけているから。
私の母の話ですが、若い頃に弾いていた大きな「お琴」を全く使わないまま納戸に入れっぱなしにしています。
後期高齢者に突入しているし、そろそろ処分するなり手放すことを考えた方が…と提案すると「こんなの捨てるのもったいない」と言います。
「もったいないと言っても使っていないし、場所も取るし…言いにくいけど、もしオカンが死んじゃったら捨てるのは私なんだけど…」と勇気を出して言ってみました。
すると母は「まあそのうちどうにかするわよ」
私もそれ以上何も言うことができなかったのですが、母には悪いけれど「もったいない」で思考停止してしまっています。
思考停止とは、物事を判断することや、考えることをやめてしまっている状態。
「もったいない」と言うと聞こえはいいけれど、判断を先送りしているだけなのです。
②ため込みグセがある
ケニアのワンガリ・マータイさんが日本で生まれた「もったいない」に感銘を受け、環境に負荷をかけず、持続可能な循環型社会の構築を目指す活動の合言葉に「MOTTAINAI」を掲げています。
もったいないという言葉の意味は「物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ、嘆く気持ちを表している(Wikipediaより抜粋)」と書かれています。
日本のもったいない精神は素晴らしいし、物を簡単に捨てたりせず大切に使うのは当たり前のことです。
実はそのもったいない精神も理解を誤ると、逆に物を粗末にしてしまっています。
物を捨てることは「もったいない」ことですが、全く使われない状態も「もったいない」とは思いませんか?
物に魂が宿っているとしたら、使われていることこそが物にとって一番幸せな状態。
使ってもいない物を「もったいないから押入れの奥に保管しておく」のは、物を大切にできている状態ではありません。
それは単なるため込みグセです。
もったいないけれど、今見切りをつけなければならない
「もったいないから」と判断を先送りし、しまい込んで見ないようにしているのは、見切りをつけることに対して惜しむ気持ちや辛さから逃げているだけ。
「そのうちやろう」「いつかやろう」と思っているなら、今やった方がいい。
今見切りをつけないと、もしもの時に一体誰があなたの物を片付けるんでしょうか。
若ければそこまで考える必要はないかもしれませんが、40代を越えると人の「死」に直面することが増えるし、自分の体に少しずつガタが来るのを感じたりすると、死をうっすらと意識し始めるのではないでしょうか。
いつか…と思っていても、片付けは体力、気力、時間が必要です。
歳を取れば取るほど、体力、気力、時間も失われていきます。
いつか…なんて呑気に構えている時間は、案外ないのです。
収納に死蔵してしまっている使わない物。もったいないけれど、見切りをつけるなら「今やる」しかありません。
収納スペース本来の機能を取り戻そう
「もったいないから」と、死蔵している不要な物を保管し続けるとどうなるのでしょうか。
使っていない物を処分しないと、今必要な物を買って物が増えた時に、収納がパンクしてしまいます。
「もったいないから捨てられない」の先にあるのは、収納のパンク。
収納がパンク=満タンになっている状態では、今使っている物を片付ける場所がなくなってしまいます。
収納スペースが機能不全を起こしている状態です。
片付けておく場所がない物は、床やテーブルなど本来置くべきでない場所に置かれてしまい、部屋が散らかってしまいます。
収納スペースの本来あるべき姿は「使った物を片付けておく場所」。
収納は、部屋に物を散らかさないためにあるのです。
本来の収納スペースの機能を取り戻すためにも、収納スペースに溜め込まれた死蔵品に見切りをつけねばなりません。
収納スペースに入れるべき物は「今使っている物」
収納スペースに入れる物は、使っていない物ではなく「今使っている物」。
あと、災害への備えも忘れてはなりません。
- よく使っている物
- 頻度は低いけれど、定期的に使っている物
- 災害時の備蓄
①よく使っている物
バッグや靴、洋服、アイロンやアイロン台、掃除機やフローリングワイパー、生活用品のストックなど毎日、毎週使う物。
日常的に使っている物は、よく使うが故についつい出しっ放しにしてしまいがちですが、使った後は片付けておくことで、散らかることなくスッキリした部屋を維持できます。
②頻度は低いけれど、定期的に使っている物
旅行用のバッグやスーツケース、扇風機やコタツ、ホットカーペットなどの季節家電、クリスマスツリーなど季節限定のものが挙げられます。
使う頻度が低い物を出しっ放しにしていると邪魔になるだけでなく、ホコリが積もってしまい、使う時になって掃除する余計な手間がかかります。
日常的に使う物は手前の方に、使う頻度が低い物は奥の方にしまっておくと使いやすい収納スペースになります。
③災害時の備蓄
地震や水害など何かと災害が多い日本では、普段から災害に備えておく必要があります。
コロナウイルスの感染拡大で、備蓄品の重要性が増しています。
買い物に行けなくなった時のことを考えて、予備のトイレットペーパーやティッシュペーパー、水やスポーツドリンク、缶詰の食料など最低限のストックは必要です。
狭い部屋でストックが辛い場合、一般的なトイレットペーパーの約4倍ある無印良品のトイレットペーパー(1ロールで250m)など、ストックの場所を取らないアイテムを活用しましょう。
収納スペースの適切な活用は災害時の安全確保にも有効
例えば地震が発生した時、物が収納されず乱雑に置かれた状態になっていると、避難しづらくなるだけでなく、落ちている物を踏んで怪我をしてしまいかねません。
災害時の怪我は最悪の場合、命取りになることも。
使っている物を収納スペースにきちんと片付けられている状態にしておくと、災害時に物によって避難導線を塞いでしまうリスクを軽減できます。
捨てる判断を先送りすると、脳にも悪影響がある
「もったいない」思考で、物を捨てることへの恐れから思考停止してしまうのは、大きなストレスから身を守るための自己防衛反応でもあります。
でも「もったいないから捨てられない」と判断を先送りし続けると「いつかはやらなければ」という思考ノイズが脳の中に居座り続けます。
部屋だけでなく、脳にも大きな荷物を抱えた状態が続きます。
自分の中で緊急性が低い物事はついつい先送りしがちですが、先に送れば送るほど、より大きなストレスとなってしまいます。
物を全く使わない状態で置いておくことは、物にとっても不幸なこと。
物は使ってこそ生きるもので、使われないのは「もったいない」状態です。
捨てるのがもったいないなら、使える物は寄付したり、欲しい人にあげたりするなど捨てずに処分する方法もあります。
死蔵している物は
- 使えない物は捨てる
- 資源ゴミに出す
- 使える物は寄付する・欲しい人にあげる
- リサイクルショップに持ち込む
こうした方法で見切りをつけ、空いたスペースに使っている物を収納し、部屋を快適なスペースに生まれ変わらせましょう。