部屋の中が散らかっていると、何もする気が起きなかったり、何事にも意欲が湧いてこなかったりしませんか?
それには理由があるんです。
日本人が1日で目にする情報量は、江戸時代の一年分だと言われています。
現代人は想像以上に脳に疲労を感じる環境に置かれているのです。
疲れた心身を癒すために部屋に帰ると、部屋の中は物でいっぱい…
そんな場所では、ストレスを癒すどころか逆にストレスを増やしてしまいます。
「部屋が散らかっていても誰にも迷惑かけてないからいいよね?」と思っていませんか?
片付かない部屋にいると、気づかないうちに心身にストレスをためてしまっているんです。
この記事では、散らかっている部屋がストレスをためやすくなる原因、心身に与える影響やメカニズム、解決方法をご紹介しています。
散らかった部屋にイライラするのは「視覚的ノイズ」が多いから
部屋が乱れていると心まで何となく落ち着かない気がするのは、目から入ってくる情報が多いから。
気が散って集中できなかったり、意欲を減退させる原因となる物を「視覚的ノイズ」と呼びます。
部屋が散らかっていればいるほど目に飛び込んでくるノイズの量が多いので、その部屋にいるだけで脳が処理しきれず消耗してしまいます。
脳が疲れると集中力や何らかの行動を起こそうとする意欲が低下します。
以前、汚部屋に住む人が「散らかった部屋にいると何かをやろうとする意欲が湧いてこないし、無気力になってしまい、部屋がさらに散らかってしまう」と言っていました。
部屋の情報量(視覚的ノイズ)を減らさない限り、部屋にいるだけで疲れてしまう状況が続いてしまいます。
ゴチャゴチャした視覚的ノイズを取り除かないと「居心地がよく快適で、疲れない部屋」を作ることはできません。
散らかった部屋とスッキリした部屋の違い
視覚的ノイズが多く、散らかった部屋の画像です。
- とにかく物が多い
- 物が乱雑に置かれている
- 物が収納に収まりきっていない
- 収納家具が多くて物置のような部屋になっている
- むき出しになっている細々とした物の色が統一感を損ねている
パッと見て美しくないし、こんな部屋ではくつろいだり疲れを癒すことはできません。
物を多く買い集めても、豊かさを感じないどころか貧しさすら感じてしまいます。
逆に、スッキリした部屋の画像を見てみましょう。
- 家具も物の量も色数も少ない
- 物が整えられスッキリしている
- 物が収納にきちんと収まっている
ドイツの建築家ミース・ファン・デル・ローエが「少ないことはより豊かなこと、より多いことは、より貧しいこと」という言葉を残しています。
散らかった部屋よりも、物が少ない部屋の画像の方が豊かな暮らしを想像できるはずです。
ホテルの部屋を想像してみてください。
室内に余計な物が一切置かれていないので、疲れて部屋にたどり着いたらホッとしますよね。
視覚に飛び込んでくる物が少ないほど、心地よくてリラックスできる空間になることが分かります。
目から入るノイズを減らすには、片付けるしかない
目から入ってくるノイズを減らすには、片付けること。
片付けので大事なのは「物を減らすこと」と「ジャンルごとにまとめ、収納すること」。
片付けの正しい手順は、こちらの記事で紹介しています。
収納に収まりきらず物を床に置いている場合、まず床に置いている物を片付けられるよう、収納家具やクローゼットの中身を見てみましょう。
物が多い部屋の収納には、たいてい使っていない物がたくさん詰め込まれています。
私の実家の押し入れには、古くなった家電や何が入っているか分からない段ボール箱、大量のショップ袋のストック、旅行カバンなどが詰め込まれていましたが、使わないまましまいっぱなしにしていると、カビが生えたり劣化したりして使い物にならなくなっています。
収納は物を死蔵する場所ではありません。
収納に入れておくべき物は、今使っている物だけ。
使っていない物を処分したら、空いた場所に使っている物を収納することができます。
物を出しっ放しにせず、決まった場所に収納するだけで部屋の視覚的ノイズを減らすことができます。
簡単に増える小物類は、必要以上に買わないこと
片付けた後も、ノイズを増やさないために注意すべきは買い物。
100円ショップや雑貨屋さん、プチプラのアクセサリーや文具売り場などで売っているものは安くて場所も取らないので、買うハードルが低く気軽に買ってしまいがち。
場所を取らなくて、安いから簡単に買えるのが落とし穴。
小さな物は、買っても収納スペースが即座に満タンにならないため、物が増えたことを自覚しにくいのです。
その行動が積み重なると物がじわじわと増えていき、スペースを奪っていきます。
必要な物と増えてしまった不必要な物が混ざり合うと、奥にある物を取ろうとして手前の物を落としてしまったりして、使いたい物に簡単にアクセスできなくなってしまいます。
値段が安くて場所も取らない、買いやすい物ほど「本当に必要なものなのか」慎重に吟味する必要があります。
そもそも「本当に必要なものなのか」吟味するのに高いも安いも関係ありません。
私が減らした視覚的ノイズたち
私が直近で減らしたノイズの一部です。
全部細かいものばかりですが、細かいものも数が増えるとそれなりのスペースを取ってしまいます。
使い道のない小物を処分すると、使いたい物を取り出す時のストレスから解放されます。
安全ピンや指ぬき、大小の縫い針セット
おそらく一生使い切ることはなさそうな縫い針と安全ピン。
指ぬきに至ってはいまだに使い方すら分かりません。。
未使用のビーズ
開封しないままずっと裁縫箱に眠っていた小さなビーズが入った袋。
袋ごと処分しました。
ミニ缶
もともとクリップが入っていた小さな缶。
中身はカラ。
好きではあったけど使い道がないし、持っていても場所を取るだけなので処分。
使っていないスマホ用のケーブル
旅行用に買ったけど使わなかったので、「何かの時のために」と保管していたケーブル。
ケーブル類は足りているし、何かの時って何なのか自分でもよくわからず、持っている意味がないなと思いました。
粗品のエコバッグ
2020東京五輪のロゴが虚しい粗品のエコバッグ。
エコバッグはすでに何個か持っているし、黒歴史になりそうな東京オリンピックのエコバッグなんて、持っていても運気が下がりそうなので捨てました…
大量のスペアボタン
もはやどの服のものなのかも分からなくなった大量のスペアボタン。
画像はほんの一部ですが、ここ何十年の間にスペアボタンが必要になることがあったか全く思い出せなくて、じゃあいらないだろうと思って捨てました。
その他に捨てた色々なもの
- 大量のゼムクリップ、何本ものボールペン、短くなった鉛筆
- 大小様々な付箋紙やメモ帳
- 外国のペットボトルのキャップ
- 食パンの袋を縛っていた針金
- 大量の輪ゴム
- ショップ袋
- ショップカードやお店のチラシ、かわいいお店のDMハガキ
私の場合、大物はだいぶ処分したので不用品は小物が中心ですが、毎日の生活の中で増えてしまう物は定期的に見直して処分し、ため込まないようにしています。
ノイズが多い部屋はストレス発生装置
物が散らかっている(ノイズが多い)状態だと目に入ってくる情報量が多いので、脳が処理しきれず疲れてしまい、何かをしようという意欲も湧いてこなくなります。
「散らかっていても誰にも迷惑かけてないからいい」と思っていても、それが良くない理由は自分自身にストレスをかけているから。
部屋がストレス発生装置になってしまい、そこにいるだけで心が疲れてしまう。
ストレスを自覚していなくても、今やメンタル不調は誰にでも起こりうることです。
心が疲れきっていると、いつもに増して寂しさや不安を感じてしまいます。
物は心の隙間に入ってくると聞いたことがあって、心の隙間を物で埋めようとするから物が増えてしまい、部屋がますます散らかる悪循環に陥ってしまう。
部屋の乱れは心の乱れと言いますが、部屋が乱れるとノイズの多さでストレスを感じるから、心が落ち着かなくなる(乱れる)。
目から入ってくる物によって心身の健康を損なってしまうほど、乱雑に散らかった部屋(ノイズが多い状態)は良くないんです。
部屋が散らかっている人にとって片付けは時間も労力もかかる大変な作業ですが、心身の健康は免疫力にも影響します。
在宅の時間が増えた今が、しっかり片付ける絶好の機会です。
コロナ後にお出かけを楽しむためにも、外出できない今のうちに片付けを終えてしまいましょう。